カズトコトコ‥

福井県が…日本が良くなりますように!

新患その2

先週の金曜日にみえた新患さんの、もう1人の方について書きます。

その前に石川県の柔整師さんから、なんでこの痛みにこのツボで、○○経に対してこのツボなのか訳わからん?もっと解り易くお願い、じゃないと困るがな。という感じのご指摘が私の携帯メールに送られてきたのですが(困ることはないやろ!)、この場を借りて返答させて頂きますと、このブログでは治療法の詳細を紹介することを趣旨とはしていませんで(それは必要ならば専門書を読めば分かる事ですから、ツボの名称等は書きますが)、このブログでは主に私の日常で心に乗った印象的な出来事をピックアップしてお伝えしようと思っています。
たまたま治療の話が続いておりますが(私の日常といってもほとんど施術治療をしているので)治療の話については、こういう疾患(主に運動器系の痛み等)にこういう治療法もありますよと言うことを一般の方に伝えられたらというのが目的なんです。ですからこういう痛みに鍼灸等をしたら効くらしいということが伝わればいいかなと思っています。
このブログを見て自分も治療を受けてみたいと思われる方がいたなら、最寄の治療院あるいは鍼灸院にいかれるとよいと思います。

では新患その2

所沢市からわざわざ来られたAさん、25歳、男性、学生、私の知人の紹介らしい。
主訴は、左腰臀部から下肢の痛みと運動制限
現病歴は、今年の10月に重いものを運んだ際、ヘルニアになり12月上旬まで経過良好だったが、12月に風邪を引き、咳こんだ際再び腰が痛み先週の中ばから座っているのがつらくなった。今週は足の痛みで座っている。横になる姿勢を続けるのが困難になり、自宅療養している(カルテからそのまま転載)。
普通に座る事ができず、椅子の上に半分正座のような格好で苦しそうにしながらもかなり詳しくカルテを書いてくれました。

治療室に入ってもらい、治療用の短パンに着替えてもらいながらその動作をチェックしておりましたが、左腰から下が動かすのが本当に辛そうです。
普通に立った姿勢は上体が前及び左に傾き、さらに左後方に捻れており、左下肢は軽く屈曲されています。
全身に脂汗をかいているようです。
よくここまで来れたなぁと感心している場合ではありません。
ベッドに伏せになってもらい、腰周辺の骨格と筋肉を触診すると、
左腸骨が前上方に変位しており、仙骨も傾いた状態で、仙腸関節にまったく可動性がありません。
さらに殿筋を左右比較しながら触診すると、左側の殿筋がスカスカして、アラッ筋肉が無いやん!(そんな事はありませんが)という感じでした。
その間1~2分、さらに梨状筋を詳しく触診しようとすると、

す すみません体起こしていいですか?と苦しそうに上体を起こしてきました。

ああゴメンゴメンと言いながら、今度は仰向けになってもらうと、左脚が伸びません。辛いというので左を上にして横になってもらいました。
どんな治療をしたの?と聞くと、「膏薬を貼ってました」という
それだけと聞くと、「はい」という
病院で?「はい」
……

う~んと考えて、腸腰筋を触診してみると硬直というか萎縮した感じです。
そのままゴリっと弾いてみて痛いですかと聞くと、別に痛くはないと言うことなので暫らくゴリゴリ万遍なく揉んでいると、少し弾力が出てきました。
試しにと上向きになってもらうと左下肢も伸ばせるようです。

ラセーグテストは10度くらいで陽性!(右は50度くらい)
うわ~と思いながら、左下肢を伸展したまま踵を足裏側から頭方に向かってトントンと叩いても別に痛くは無いと言います。さらに強くドンっと叩いてみても腰に響くことも無いようです。

ふ~んと納得して、梨状筋と双子筋など殿筋と腸腰筋を緩める目的で鍼をすることにしました。

左を上に側臥位で
左の委中、承山、飛陽、申脈、金門、陽陵泉、絶骨、足三里に刺鍼してから、
梨状筋の停止部寄りを目指して、2寸8番鍼を刺鍼、グーと刺入していくと梨状筋に達した辺りで急に鍼先にグッと抵抗を感じ、同時にAさんの身体がピクンと反応。痛いですか?と聞くと、痛くは無いですというのでさらにググーと梨状筋の芯と思われるところまで刺入し、さらに起始部寄りにも同じく刺入  殿部にもう一本、上双子筋目指して同じ様に刺入
次はお腹側で上前腸骨棘内下方で鼠径靭帯を避けるようにして腸骨筋に刺入 この時もグッと抵抗が感じられましたが、もう一押し刺入、次リョウ、膀胱ユにも深刺
あとは帯脈穴と殿筋の硬結部に3箇所刺鍼してから、一応ということで首の天柱の一鍼
10分間置鍼。

10分後、抜鍼してから殿部の筋肉を触診すると、初めよりはかなり弾力がありふっくらしてきた。
そして全身の脂汗も完全に引いていたので、これでいけるやろ!と手応えをを感じて、

上向きになってもらうとすんなり体位変換できる!

上向きのまま、念のため両手首の神門から通里に透鍼してから
膝を立ててもらい、左右に倒してもらう
どちらも倒せるが左の方が倒し易いというので、左倒しの操体法3回
今度は脚を伸ばしてもらい片側ずつ、踵を突き出すように腰から伸ばしてもらうと、これも左がやり易くさらには気持ちが良いという、左踵に抵抗をかけながら左脚を腰から伸ばす操体法3回

手首の鍼を抜いて

かなり動き易くなっているので、左の足臨泣と束骨に皮内鍼を置いて治療を終了。

起き上がってもらうと姿勢は真直ぐになっていたが、痛みはまだ有るはずなので確認すると、まだ痛いけど普通に歩けるようになったというので、こんなもんでしょ!とお互い納得。

あと何回かは治療が必要だけど、所沢からここまで来るのは大変だろうし、こちらも家に帰り着くまで心配でしょうがないから、家の近所で治療院をさがしてみて有ればそちらに行って治療するようにと、まぁ多少やり方は違うかも知れないけどちゃんと治してくれるからと言って見送った。

かなり苦しそうだったのでテンションを上げて頑張りました。

治療院は基本的にどこもそんなに大差は無いと思うので、歩いて行けるところ、通院に便利なところに行かれるのが良いと思います。

Aさん最後までちゃんと治療してくださいよ!

ごっつい長くなってしまいましたわい!