早瀬浦… 一期一会の酒
今年もいただく事ができました
純米滓酒 浦底 若狭の酒 早瀬浦
早瀬浦は 都内でも〝美味しい魚と日本酒に拘ってるお店〟等で見掛けますが
これはあまり知られてないんじゃないかな… なんせ数がないですから!
要は純米系の酒を仕上げた後に各タンクの底に残ってしまったのを寄せ集めてブレンドし浚った物ですが
余瀝と侮るなかれ 蔵人の己の酒に対する愛情と信念がひしひしと伝わって来ます
酒の特性上 毎年違った表情といいますか味わいになり その違いにいろいろと想いを馳せるもまた一向
一生に一度の酒であり 正に一期一会の酒なのですよ
味わいは年々纏まりのある感じに進化してるように感じますね
去年のは個性が強く酒肴を合わせるのがちょっと難しかったんですよね…
程良く旨味の乗った鯛や鮃なんかの白身の刺身が良いのですが 醤油じゃ個性が反発して合わず煎り酒を拵えなきゃいけないとか 煎り酒に添える山葵も混ぜ物山葵じゃ舌の上で喧嘩しちゃうので本山葵の3年物あたりを丁寧に摩り下ろしたのを用意しなきゃいけないとかね
いってみりゃ生意気な感じがしたんですが
今年のは包容力があると言うのか 素直な感じでいろいろ合わせやすい
〝鰤しゃぶ〟なんか良いですね 薬味の生姜を多めに添えてね!
なんてね… 実は毎年この浦底に合う酒肴を考えるのも楽しみのひとつでして
来季からはお袋の店「魚処 定吉」でもいろいろ出せるようにしたいですね
そうそう盃にもちょっと拘りたい…
綺麗な硝子のヤツに酌むのが良いと思います
滓が流れる様は 冬の日本海の波間を見ているような錯覚を覚えますよ!
なんだか郷愁にかられたりして そんな自分に照れながらグイッとね
あとね…
霙色の酒を飲み干し 空になった瓶は 春の日本海を想わせる清々しい色をしておりますよ!
うん 今年も呑めて良かった… 母ちゃんアリガトね